今日はヒルトップのフットパス(トレッキングルート)を歩きます。
ヒルトップ は、ピーターラビットシリーズの作品が生まれた地であり、また作者のビアトリクス・ポターが、絵本の印税で、湖水地方の自然を守るために4,000エーカー土地を買い、ナショナルトラストに寄付した場所でもあります。
つまりヒルトップには、今もポターが生きていた当時のままの自然が、ナショナルトラストにより管理され残っているのです。
ポターの家でフットパスの地図をもらおう
私はこのイギリス旅行でいくつかのフットパスを歩きましたが、その中でもヒルトップ は特に楽しみにしていた場所です。
しかしヒルトップに行くまでは、ウィンダミアの観光案内所で買った簡単なフットパスの地図しかなく、それを元にもとに回るつもりでいました。
しかしポターの家の入り口のワゴンの上に、何やら地図らしきものが置いてあるのを発見。
係員の方に聞いたところ、「ヒルトップ周辺」&「ヒルトップからボート乗り場まで」のフットパスのルートが書かれた地図でした。
フットパスを歩く人は少ないせいか、地図はひっそりと置かれていました。
また係員の人がワゴンの前で、入場の案内をしているので、普通なら気づかずに通り過ぎてしまいそうです。私はたまたま係員の人に質問があったので、気づくことができました。
A4用紙に印刷されたのもで、ナショナルトラストのマークがついています。見つからない場合は、係員の人に聞いてみてくださいね。
地図を使い、ルートを大まかに説明します
地図はこちらです。
今回のフットパスは、地図の先も歩いたので、私が少し少し書き足してあります。(日本語や黄色い星印は、私が書いたものです。)
途中の黄色い星印のゲートを出た所から、ルートは2つに分かれます。そして、それぞれを勝手に「湖ルート」「木道ルート」とそれぞれ名付けました。
距離の目安としては、地図に英語で書かれてますが、「モス・エクルズ湖(Moss Eccles Tarn)」までまっすぐ行き、そのまま引き返すと0.9マイル(1.5km)くらいです。
私が歩いた2つのルートを合計すると、ちょうどその2倍くらいだと思います。
時間にすると1時間半から2時間くらいになります。
それではさっそくヒルトップのフットパスを歩くことにしましょう。
ポターの家から湖の近くのゲートまで
地図の左下にあるヒルトップ を出発し、目の前の坂を登りたいところですが(ここは行き止まりになります)、そうではなく、家と家の間の道に入ります。
するとその先に遠くを見渡せる坂が現れます。
まさにヒルトップ にふさわしい丘の景色です。
すぐにフットパスのゲートが現れます。
遠くに牛がいます。
緩やかな坂道を登ったり、平坦な道を歩いたりしているうちに、
また遠くにゲートが見えてきます。
これが地図上に、黄色の星印をつけたゲートになります。
「湖ルート」を歩く モス・エクルズ湖を超えて次の小湖まで
黄色の星印のゲートを入ると、道の右側に「クラアイフ・ハイツ(Claife Heights)」行きの標識が見えます。この標識の通りに道を直進すると、「モス・エクルズ湖(Moss Eccles Tarn)」に到着します。
道を塞ぐように水が流れています。
ほとんど小川です。
この勢いで道に水が流れてくると、小川ができても仕方ないですね。
私はフットパスを歩くために防水のトレッキングシューズを履いていたので、ストレスなく渡ることができました。
少し歩くと左手に「モス・エクルズ湖」が現れます。
まさに、私がイメージしていた湖水地方の景色です。
静かな湖の景色を独り占め・・・ではなく、このあたりは羊の放牧地になっていて、たくさんの羊と私といった状態でした。
長い間景色を眺めたり、写真を撮ったりしているうちに、明らかに周りの羊たちの鳴き声が増えてきました。
「私は警戒されてる?それとも興味を持ってくれてるの?」
もう少し先まで歩くことにしましょう。
緩やかな坂を登ると、左下に湿地と湖が広がります。
写真では伝わらないかもですが、とても静かで美しい景色でした。
久しぶりに景色を見て、胸に迫るものを感じました。
曇り空の湖水地方も良いものだと思いましたが・・・
もう少し先まで行こうとすると、また大きな水たまりが。
その時大粒の雨が急に降り出しました。
慌ててレインコートを羽織り(レインパンツはフットパスに入る前に履いていました)、リュックにレインカバーをかけます。
とりあえず黄色の星印のゲートまで戻ります。
途中の「モス・エクルズ湖」では、羊がびしょ濡れでこちらをじっと見ています。
「さっき鳴いてたのは君なの?」
「木道ルート」を歩く 木道〜モス・エクルズ湖の白いハス〜草原
ゲートの近くの標識まで戻ってきました。
ここに道はありませんが、左上の石垣のようなところに道らしきものがあるので、芝生の坂を登ります。
石垣沿いの道を歩き、しばらくすると、目の前に目を疑う光景が・・・
羊が一列に並んでる?
私が近づくと、羊もいっせいにこちらを見て足を止めます。
羊は、自分たちで木道を通って羊小屋に帰るところでした。
羊も私を見て立ち止まったので、「どうぞ、どうぞ」と声をかけると、羊が足早に木道を渡ります。
「ポクポク」と可愛い足音が、雨音の中響きます。
羊が行ったのを見送り、木道を歩くことにします。
木道が終わり湖畔の森を歩いていると、木々の間から、また目を見張る光景が!
湖面に無数の白いハスの花が咲いています。
この時、叩きつけるような雨が降っていたので、ぼやけた写真しか撮れませんでしたが、本当に素晴らしい光景でした。
森を抜けると、フットパスのゲートが見えました。
ゲートの先は草原です。
道はわからないので、とりあえず歩いてみます。
草原の中に標識を見つけました。
しばらく歩くと道が出てきました。
フットパスのゲートです。ここから先は一般道になります。
遠くの眼下に「エススウェイト湖(Esthwaite Water)」が見えます。
雨はいつのまにか止んでいました。
この道を進むとヒルトップ です。
バス通りに出てきました。
ヒルトップのフットパスは、想像以上の素晴らしさでした。
しかしフットパスを歩く人は少なく、たまに人とすれ違う程度でした。(大自然を独り占めできる喜びと、多くの人に素晴らしさを知って欲しい気持ちの両方がありました。)
私にとっての湖水地方の旅は、まさにこういった場所を訪れるイメージを持っていたので、大満足の結果となりました。
さて、この後はヒルトップからボート乗り場の「フェリーハウス」までフットパスを歩いて帰ることにします。
来る途中に見た「フェアソーリーFar Sawry』の教会の近くも通る予定なので、とても楽しみです。
帰りのフットパスの記事はこちらから
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