ケーブルカーに乗ってSanta Covaに向かいます。Sant Joanに比べると訪れる人は少ないですが、聖地にふさわしく宗教的な魅力に溢れた場所です。ガウディ作「キリストの復活」の彫刻作品や、まるで黒いマリア像が見つかった洞窟を守るように建てられた、絶景の地に立つ小さな教会、また教会への道ぞいには、数々の秘跡(サクラメント)を表すモニュメントが建ち、キリスト教信者ならずとも心が洗われるような場所です。
モンセラットからはもう1本、下に向かって伸びるケーブルカーがあります。行き先はSanta Cova。Sant Joanに引けを取らない素晴らしさです。Sant Joanが動なら、Santa Covaは静といったところです。Santa Covaは訪れる人もSant Joanに比べると少ないので、静かに観光を楽しめます。
(とは言ってもSant Joanも人が多いのは、フニクラの駅の周りだけで、少し歩くと人が歩くと人がいなくなるんですけどね)
その上、Santa Covaにはガウディが寄進したイエス・キリストの彫刻「イエスの復活」があります。モンセラットに度々訪れ、モンセラットの自然のパワーからインスピレーションを得ていたガウディが、この地への感謝を込めて送ったのでしょうか。
ではさっそくSanta Covaをご案内することにしましょう。
モンセラットの登山鉄道の駅の近くに、Sant Joan行きと Santa Cova行き両方のケーブルカーの駅があります。下の写真だと、右上に見える駅舎がSant Joan行き、左下の駅舎がSanta Cova行きです。
ここからケーブルカー(フニクラ)で下っていきます。「下りのケーブルカーですが良いですか?」と念を押されます。8月は20分間隔で発車していました。
どんどん下っていきます。
左手の頭上にはロープウェイが見えます。
Santa Covaの駅舎からを降りると1本道です。
ここから見える景色も素晴らしいです。
Santa Covaは地球の歩き方によると、「ロザリオの秘跡を表す15のモニュメントがあり・・・」と書かれています。”ロザリオ”といえば数珠のようなあれですよね。小学生の頃読んだ怪盗ルパンシリーズの「血染めのロザリオ」という小説に描かれていた挿絵を思い出します。
”秘跡”は、カトリック教の信仰を高めるための様々な儀式を表しているようです。
洗礼や懺悔、聖体、婚姻などがあるようですが、それぞれにキリスト教ならではの意味があるようです。宗教絵画もそうですが、キリスト教芸術を理解するには、まだまだ知らないことがたくさんありそうです。
というわけで、単純に作品として鑑賞しながら歩くことにしましょう。
作品は1900年頃のものが多かったです。
前方に十字架が立っています。
下から十字架を見上げます。周りの景色と相まって本当に素晴らしいです。
十字架を担ぐイエス像。
アップダウンはありますが、基本的には行きは下り、帰りは登りです。
Sant Joanに比べれば楽勝です。
ここから見える景色も、Sant Joanに引けを取らない壮大さです。
前方に教会が見えてきました。道の突き当たりになります。
Capella de la Santa Cova サンタ・コバ教会です。
小さな教会です。
教会の左側はこんな感じです。建物のすぐ下は文字通りの断崖絶壁です。
祭壇は黒いマリア像が見つかった洞窟です。教会内は暗く、ろうそくの光が教会内を優しく照らしています。
黒いマリア像のレプリカが置かれています。今朝、本物のマリア様に触れたのがずいぶん前のような気がします。
ステンドグラスの模様はモンセラットの奇岩。かわいいです。
さて最後になりましたが、15個のモニュメントの一つ、ガウディ作の第一秘跡「キリストの復活」をご紹介します。 第一秘跡は秘跡のうちの「洗礼」を表しているということです。
なぜ「キリストの復活」が「洗礼」なのか?
これはイエスが死んだのち神の力によって死から蘇ったように、「洗礼」を受けた人は新しい命を生きる、つまり「洗礼」は「死と再生」を体験する儀礼という意味があるようです。だから第一秘跡である「洗礼」が「キリストの復活」という作品になるということですね。
作品の隣のプレートにはガウディの文字が。
イエス像の隣の黄色と赤のタイル模様に、ガウディらしさを感じます。
すぐ向かいには、まるでグエル公園のような曲線のベンチがあります。ちょっとパロってるのかな。楽しいですね。
Sant Covaは、教会での滞在時間も含めて1時間もあれば十分楽しめます。
こちらもオススメですよ。