ビルバオで、はしごバルを体験済みの私でしたが、サン・セバスティアンのピンチョス&バル巡りは、いろんな意味で異次元レベルでした。
旧市街は、あっちにもこっちにもバルがいっぱい。バルの中も外も、教会の階段や道端もワイングラスを片手におしゃべりする人でいっぱい。
もはや街全体がバルなのでした。
ペンションのチェックインを済ませ、さっそくサン・セバスティアンの旧市街に繰り出します。
そこでまず驚きの光景が!
市庁舎前の広場で、わたしと同年代か、少しお兄様、お姉様方、つまり中高年〜初老の人達が、生演奏のバンドに合わせて、タンゴやルンバを踊っているではありませんか!軽く20〜30組くらいはいるでしょうか。
ここはブエノスアイレス?と見まごう景色です。(ブエノスアイレスに行ったことはないですが(^_^;)
けっこうアップテンポなナンバーもあり、お姉様方のこなれ感が光ります。
まるでウリナリの 芸能人社交ダンス部です。
こんな世界がリアルに存在しているんですね。古き良き時代が残っているのか、それとも明るく楽しい高齢化社会の最先端を行っているのか、何れにしても、サン・セバスティアンおそるべし。
さっそく旧市街の中心部に入って行くことにします。
そこに並ぶのは、バル、バル、バル!
さすがピンチョス発祥の地です。
道行く人の目的はみんな同じ。
美味しい料理と美味しいお酒。
人気店はすでに店内は人でいっぱいですが、気後れしている暇はありません。
カウンターでピンチョスとお酒を選び、そこで会計をして、好きな席でいただきます。
テーブル席が空いたので移動すると、隣にアメリカ人のご夫婦が。
オーダーの仕方に迷っているようだったので、にわか仕込みの私が、あれこれ教えているうちに、
「実はうちの娘は、昔、日本で英語の先生として働いていたのよ〜」なんていう話題から、あれこれ話に花が咲きます。
ご夫婦に別れを告げて、また次のバルに向かうことにします。
美味しそうなお店ばかりで目移りします。
サン・セバスティアンは魚介類も豊富です。
こんな風に積み上げられたお皿に、自分でピンチョスを取ってお会計をしてもらうこともできます。
美味しそうなピンチョスばかりで目移りします。
夜が更けてくるにつれて、ますます人が増えてきます。みんな次のバルを求めて、歩き回ってます。
私も次に入るバルを探していると、一番最初のバルで出会ったアメリカ人ご夫婦が。
1軒目でお互い、まだバル巡りにぎこちなかったのが嘘のよう。「ハーイ!楽しんでる。イェーイ‼︎」っと、声をかけ合います。
4軒バルを回ったところで、そろそろペンションに帰ることにします。
1軒あたり、ワインとピンチョス1〜2本でだいたい6、7ユーロくらいでした。この値段なら、お財布の中身を心配することなくバル巡りができますね。
でもこの後、またもやびっくりの光景に遭遇。
1軒のバルの前で、おじさんたちが集まって大合唱を始めました。バスクの歌?応援歌?みんなとっても気持ち良さそう。その輪にどんどん人が加わって歌っています。私も知っていたら一緒に歌いたい気分。
イェーイ!(本日2回目のイェーイ) と拍手にだけ加わりました。
街中で、社交ダンスを踊ったり、大合唱が始まったり。そんなことが、当たり前に起こる街があるということに、とっても幸せな気持ちになりました。
美味しい料理とお酒があるところには、幸せが集まってくるのかな。
私にとっては、映画の中のような出来事が次々と起こった夜でした。
そして、こうして一人旅ができている周りの理解と、自分を取り巻く環境に、改めて感謝したのでした。
(酔っ払いつつ)