名画の話ですが、グロテスクな絵が苦手な人は見ない方が良いと思います。
私もまだ慣れません。怖いよー、薄目で見てます(涙)
夏休みの一人旅がだんだん近づいてきました。
たくさんの美術館を巡る旅になるので、多くの名画との出会いが楽しみです。
特に最初の訪問地のマドリードは、垂涎ものの名画が目白押しです。
そんな中に一つ、長年、見たくて見たくなかった絵ががあります。
それはプラド美術館にある、ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」です。
怖いですね〜〜。
簡単に、この絵のモチーフとなったギリシャ神話を紹介すると、
母親(ガイヤ)に、父親(ウラヌス)を倒すことを依頼されたクロノス(サトゥルヌス)は、父親が昼寝をしているすきに、父親の男根を切り落とします。力を失った父親は最後、クロノスに告げます。「お前は父の私を倒して王の地位 を奪い取った。やがてお前自身も同じ運命になるであろう」
その後神々の王位についたクロノス(サトゥルヌス)は、父親の最後の言葉に怯え、生まれてきた我が子が自分を次々と呑み込んでしまいます。
とまぁこんな感じです。
きちんと読みたい人はこちらをどうぞ。
神話の世界はすごいですね。
ギリシャ神話も日本神話も、あり得ない話か満載なんだけど…
でも本当にあり得ない話?
社会が複雑になるにつれ、私たちはいろんなルールを身につけてきたけれど、もっともっと大昔、理性でコテコテに武装する必要がまだなかった時代は、神話の世界はリアルな世界だったのかもしれないですよね。
少なくとも、巷で流れるニュースや、親との関係性に悩む人の話を聞いていると、今の私たちの心の奥深くには、神話の世界は形を変えて息づいているような気がするのですが…
ゴヤはこの絵を、彼が4年間引きこもって過ごした、聾者の家の食堂の壁に描いたそうです。なぜこのような残虐な絵を描いたかは諸説あるようですが…
この絵をゴヤは、毎日どんな思いで眺めていたのでしょう。
私たちの心に眠る「神話の世界の心」を考えると、ゴヤにとってこの絵は、凄惨な子殺しの殺害現場ではなく、自分の心の一片と対峙するものだったのかもしれないですね。
なので、しっかり見てきます。
怖いよ〜。でもすごく楽しみ!