昨日はミケランジェロのダビデ像についてお話ししましたが、今日はミケランジェロがシスティーナ礼拝堂に描いたもう一つの作品「天井画」についてお話ししたいと思います。
ヴァチカン美術館のシスティーナ礼拝堂では、ミケランジェロの「最後の審判」だけではなく「天井画」もまた多くの人々を魅了していますね。こちらも40.5m×14mの大作で、旧約聖書の創世記の9場面 を描いています。その中の一つに、あの有名な「アダムの創造」もあります。
余談ですが、「アダムの創造」の、神様の右手がアダムの左手に伸ばされ、生気を吹き込むこのポーズは、映画「E・T」に引用されたと言われているんですよ。有名な話かな。
ところで天井画ってどうやって描くか考えたことがありますか?
日本で天井画といえば雲龍図が有名ですが、日本の場合は、まずは地上で描き、その後天井に吊り上げるというのが一般的なようですね。これは木造建築だからこそできる方法なのかもしれません。
しかし西洋建築の教会は、天井が漆喰のため、地上で描いて吊り上げるというわけにもいかないようです。
ではどう描くのか?
実は天井までの足場を組んで、その上に乗り、ひたすら上を向いて描くらしいのです。私はジャングルジムのような足場を想像していたのですが、念のためwikiを調べてみると、側壁の窓の上に穴を開け、そこに木を渡して土台を乗せたみたいですね。勉強になりました。
天井は高さ20m、その広さは周辺部も合わせると約1,000平方mもあるそうです。おまけにミケランジェロは弟子の出来栄えに満足せず、そのほとんどを一人で描きあげたというから本当に驚きです。完成までにかかった期間は約4年間。画力ももちろんのこと、この大きな天井画を毎日毎日上を向いて描き続ける忍耐力と集中力は、凡人には想像を絶するものがあります。
しかしその辛さを友達への手紙にイラストを添えて綴っているというエピソードは、「ミケランジェロもやっぱり人間なんだな〜」と、親近感を覚えますね。
ところでフィレンツェには、ミケランジェロの「ダビデ像」が3体あります。
1つは、もちろんオリジナルのあるアカデミア美術館。
もう1つは、かつて「ダビデ像」が置かれていた市庁舎前にレプリカが。
そしてもう1つは、中心部から少し離れたミケランジェロの丘に青銅のレプリカがあります。
ミケランジェロの丘は、フィレンツェの街並みが一望できそれはそれは美しい景色なのですが、夕暮れ時はさらにその美しさを増します。一昨年の年末に行った際の写真をご紹介しておきますね。
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