アートの話

誰もが知っているダビデ像、でもダビデの正体は案外知られていない

昨日ダ・ヴィンチとミケランジェロについてのブログを書いたら、私のルネッサンス熱に火がついてしまいました。今日もルネッサンスネタになります。

「彫刻といえば?」

この質問に多くの人が「ダビデ像」と答えるのではないでしょうか。

突然ですが、私が独断と偏見で予想する「有名な彫刻ベスト5」

1位 ダビデ像

https://i0.wp.com/livedoor.blogimg.jp/laba_q/imgs/d/7/d773b315.jpg

2位 ミロのヴィーナス

https://i0.wp.com/www.louvre.fr/sites/default/files/imagecache/940x768/medias/medias_images/images/louvre-aphrodite-dite-venus-milo_0.jpg

3位 考える人

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/56/The_Thinker%2C_Rodin.jpg/260px-The_Thinker%2C_Rodin.jpg

4位 ニケ

https://i0.wp.com/www.hpfrance.com/Blog/Vicky-Yumico/images/blog20110415_nike.jpg

5位 中宮寺の弥勒菩薩

https://i0.wp.com/kajipon.sakura.ne.jp/kt/miroku7.jpg

(個人的な趣味を入れてしまいました。好きなんです)

こんな感じでいかがでしょうか。

ちなみに4位の「ニケ」はギリシャ神話に登場する勝利の女神で「Nike」と書きます。そうです。あのスポーツメーカーの名前の由来は、ここからきてるのです。ルーヴル美術館にあるのですが、ファンも多く、実物を見た人がその迫力に、「ミロのヴィーナスよりニケの方が好き」と虜になってしまう人も多いようです。

ミロのヴィーナスもルーヴル美術館にあります。やはりその美しさに圧倒されます。でもそれ以上に「教科書で見たやつが目の前にある〜」という感動の方が大きいですね。

「教科書で見たやつが目の前にある〜」という感動では、ミケランジェロのダビデ像の方が上かもしれません。

誰もが知っているこのダビデ。でも日本人で、その正体は誰なのかを知っている人は、案外少ないのかも・・・

ダビデを語る上で必要になってくるのは旧約聖書です。しかしダビデの生涯を語ると波乱万丈すぎて、それだけで今日のブログが終わってしまうので、ここでは簡単にお話しすることにします。

旧約聖書なのでもちろん紀元前の話です。

イスラエル最初の王サウルの時代、預言者サムエルは新しい王を探すためにベツレヘムにやってきて、勇敢で美しい(ここ重要ね)羊飼いの少年、ダビデを見つけます。ダビデは投石の名手で、その強さは、羊を取り返すためにライオンに立ち向かい、倒したこともあったほどです。

 その後イスラエルの軍隊に入ったダビデは、敵国ペリシテの巨人ゴリアテと1対1の戦いに挑み、見事勝利します。ゴリアテが鎧で身を固める中、ダビデは得意の投石で、ゴリアテのこめかみに石を命中させたのです。ダビデは倒れたゴリアテの首をすぐさま切り落としました。ダビデの活躍でイスラエル軍は見事ペリシテのに勝利したのです。

その後ダビデは2代目のイスラエルの王となり、不倫なんかもありましたが、真摯に反省したので神に許され、40年間もイスラエルを統治したのです。

かなりおおまかですが、ざっとこんな感じです。

さてここでミケランジェロの「ダビデ像」の登場です。

ミケランジェロのダビデは、ゴリアテとの戦いに臨み、左手には投石紐、右手には岩石を持ち、まさにゴリアテに対して岩石を投げつけようと、狙いを定めている場面だと言われています。

アダムとイヴが禁断の身を食べて以来、人間は裸でいることが恥ずかしくなったので、ダビデも服を着ていたと思うのですが、やはりミケランジェロ、ここは”どどーん”と裸体です。

さて、芸術の世界で有名なダビデは、ミケランジェロのダビデだけではないのです。

いろんな芸術家がダビデを描いているので、ここで少し紹介しますね。

何と言っても有名なのは、カラバッジョの「ゴアリテの首を持つダビデ」です。

https://nouvelleartsite.files.wordpress.com/2016/05/david-with-the-head-of-goliath-by-caravaggio.jpg

さすが、美少年を描かせたらカラヴァッジョの右に出るものはいないですね。こちらのダビデも美しいですね〜。

最後の1枚は、レンブラントの「ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの沐浴」

https://i0.wp.com/musey.net/wp-content/uploads/2016/07/Rembrandt_Harmensz._van_Rijn_016.jpg

えっ?誰?という感じでしょうか。

実は、王になったダビデは、一人の女性が沐浴している姿を見かけ心惹かれます。そして彼女が部下の妻だと知りながら呼び寄せて、関係を持ってしまうのです。やがて彼女(バテシバ)が妊娠すると、ダビデは戦死に見せかけてその部下を殺してしまったのです。

本当、波乱万丈の人生だったのですね。

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