こんにちはしーちゃんです。
モスタルの旧市街を抜けて川沿いに歩いていくと、また違う橋が見えてきたので渡ることにしました。川がとても綺麗で、モスタルが自然豊かな美しい場所であることに改めて気付かされました。
しかしそんな時、川を渡った先の家に無数の銃弾の跡が残っているのを見つけました。「美しい自然と銃弾の跡」という組み合わせをにわかには信じられませんでした。
しかしこのあと旧市街に戻る途中で目にしたのは、さらに心が痛くなるよな紛争の跡でした。
約30年前に勃発したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、ムスリムのイスラム教徒、カトリック教徒のクロアチア人、旧ユーゴスラビア連邦のセルビア人、それぞれの立場の人々が衝突し、死者は20万に及んだと言います。
モスタルはもともとネレトヴァ川を挟んで一方はカトリック教徒が、対岸にはイスラム教徒が住んでいたそうです。オスマン帝国の支配下にあった16世紀には、それまでの木の吊り橋に代わり、多民族が平和に暮らすモスタルの象徴「スターリ・モスト」と呼ばれる石の橋がかけられました。
しかしこの「スタリ・モスト」も、1992年から1995年まで続いたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で破壊されてしまいました。
「スタリ・モスト」は2004年再建され、翌年モスタルの旧市街と共にユネスコ世界遺産に登録されましたが、そこには歴史的価値だけではなく、再建に対する「多民族・多文化の共生や和解の象徴」という意味もあるようです。
街を歩いていると、歴史的建造物らしき建築も破壊された状態で残っているものもありました。
このときふと脳裏をよぎったのは、旅の始まりで見たクラクフの約1,000年にも及ぶ建築物が残った美しい町並みのことです。それらが残っているのは当たり前のことではなく、かつて生きていた人々の努力あるいは奇跡が、今を生きる私たちに繋いでくれたものだという縦に繋がる時間の感覚が、わーっと押し寄せてきました。
そして同時に、それを次の時代の繋いでいかなければという責任感のようなものが芽生えていました。
さて旧市街に戻ってきた私は、ムス君が教えてくれたボスニア・ヘルツェゴビナの名物料理「チェバビ」を食べられるお店を探すことにしました。
「スタリ・モスト」近くの川沿いに素敵なお店を発見。川を眺めながら・・・と思ったのですが、日差しが強いのでパラソルが日影を作ってくれる席に移動しました。川面を流れる風が届いて気持ちが良いです。
実はチェバビという名前しか分からなかったのですが、お店の若いスタッフ君がいろいろ説明してくれました。まず細長いハンバーグは5本か10本で選べるようなので、5本をお願いしました。またチーズと一緒に食べると美味しいと勧められたので、それもいただくことにしました。
サーブされたチェバビは、スパイスが少し入った細長いハンバーグのようなものがピタパンに挟まっていました。ヨーグルトのようなチーズや、生の玉ねぎと一緒に食べるとすごく美味しくて、あっという間に完食しました。
食後にはボスニアコーヒーもお願いしたところ、四角い柔らかくて甘いお菓子も添えられていました。初めての食感だけど懐かしい美味しさでした。
ボスニアコーヒーはコーヒーの粉と一緒に煮出してあるので、粉が入らないようにそーっとカップに注ぎます。トルココーヒーに似てる!といっても、まだトルコに行ったことがないので、私のトルココーヒーの思い出は鹿児島天文館の「ブルーライト」さんのものです。
お店を出た後、もう一つのモスタル名物「スタリ・モスト」橋からの飛び込みを見に、川のほうに降りていくことにしました。
下から見上げた橋は想像以上に高くて、「本当にここから飛び降りられるの?」という感じでした。残念ながら、私が行った時には誰も飛び降りる人はいませんでしたが、近くの飛び降り台からはダイブする人がいて、楽しませてもらいました。
おそらくボスニア紛争前は、この美しいネレトヴァ川を、異なる民族、異なる信仰を持った人たちが共有していたに違いありません。もしからしたら当時も「スタリ・モスト」からダイブする人の勇気を、民族を超えて、お互いに讃え合っていたのではないでしょうか。
ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れる前は、この国に対して、ボスニア紛争の暗い危険なイメージを持っていました。しかし実際に訪れてみて、あまりにも素晴らしい自然と、長い間多民族が平和に暮らしていた歴史を知り、この国が大好きになりました。本当に訪れ訪れることができて良かったです
そろそろ集合時間が近づいてきました。今回のベルトラのツアーはほぼ放置でいろんな体験をすることができ、私にぴったりでした。
帰りも雄大な自然の中を走り、夕方にはドゥブロブニクに到着しました。
ちょっと休憩して、今から夜のドゥブロブニク旧市街に行くのもありかも・・・
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