今日は、ワシントンD.C.から電車で行ける「ボルチモア」と、世界最大のマチスコレクションを誇る「ボルチモア美術館」への行き方をご紹介します。
ボルチモアはワシントンD.C.の近郊都市で、電車で30分〜1時間のところにあります。
ワシントンD.C.からボルチモアに行くには2種類の鉄道会社がありますが、料金や所要時間に違いがあります。どちらを選択するかは、それぞれのニーズに合わせてということになりますが、まずはその特徴を知る必要がありますね。
ここではワシントンD.C.発のボルチモア着の電車の種類や仕組みを、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。
ワシントンD.C.はユニオンステーションから
ワシントンD.C.からボルチモアに行くには、地下鉄レッドラインの「ユニオンステーション駅」に直結した、鉄道の方の「ユニオンステーション駅」を利用します。
「ユニオンステーション駅」には、カフェやレストラン、洋服店などが入るショッピングモールも併設されています。
2つの鉄道会社の特徴を知ろう
鉄道のボルチモアの駅名は「Penn Station駅(ペンシルバニア駅)」です。
つまりワシントンD.C.〜ボルチモア間は、
ワシントンD.Cの「Union Station駅」からボルチモアの「 Penn Station駅」に向かう電車に乗ることになります。
実はこの路線を走る鉄道会社は2つあります。Amtrak社とMarc社です。
それぞれの鉄道の特徴を知って、自分に合った方法でボルチモアに向かうことにしましょう。それでは簡単に説明しますね。
Amtrak社
全米をネットワークする連邦政府出資の鉄道会社。中長距離の列車のため、ボルチモアに行くには、ワシントンD.C.〜N.Y.〜ボストンといった長い路線の一部分に乗車することになります。そのため座席指定の場合が多く、電車料金も高めです。格安チケットでも片道16ドル以上します。
電車にもよりますが、乗車時間は30〜40分くらい。本数が多いので便利です。
(全米を見ると電化してない路線も多いですが、ワシントンD.C.〜ボルチモア間は電化されています)
電車の時刻や料金はこちらから確認できます。
たとえばスマホで検索した場合、このように表示されます。
Marc社
ワシントンD.C.に隣接する州であるメリーランド州政府が運営する通勤電車。
ワシントンD.C.〜ボルチモア間の料金は片道一律8ドルです。
所要時間は1時間。
本数はAmtrakに比べると少ないです。平日は1時間に1本くらいの割合ですが、週末は本数がさらに減ります。
小さくて見にくいですが、時刻表を貼り付けておきますね。
月〜金曜日の時刻表
土曜日、日曜日の時刻表
こちらをクリックすると、時刻表のPDF版を確認することができます。
https://mta.maryland.gov/sites/default/files/Penn_Apr23_Full.pdf
チケットカウンターでは、鉄道会社名を伝えましょう
チケットを購入する際には、自分が乗りたい電車がAmtrakなのかMarcなのかをきちんと伝える必要があります。
私自身のことですが、ボルチモアからの帰りに、Marc社の電車の時間が迫っていたので、「今から一番早い電車で」とオーダーしたところ、たまたま遅延していたAmtrak社の電車がM arc社の5分前にあり、「30ドル」と請求されました。(Marc社なら8ドルです)
慌てて「Marc社が良い」と伝え、チケットを再発券してもらいました。
クレジットカードの払い戻し手続きもすることになり、少々手間がかかりました。
自分の乗りたい電車が決まっている時には、やはりきちんとリクエストを伝えることが大切ですね。
Marc社の電車はこんな感じです
ワシントンD.C.「ユニオンステーション駅」では、乗車する電車のゲートが表示されています。時間が来るまでは待合室で待ち、ボーディングの手続きが始まったら、ホームに出て電車に向かいます。
私は往復とも運賃の安いMarc社を利用しました。ホームは暗いですが、電車は清潔で安全な印象を受けました。
ボルチモアに到着です。
駅前には大きなオブジェがあります。
ボルチモア美術館への行き方
「ボルチモア」で検索すると「治安が悪い」というワードが出てくるため、一人旅の私は少し不安を感じていました。しかしボルチモアには「サーキュレーター」という強い味方が走っています。「サーキュレーター」を利用することで、安全で楽に「ボルチモア美術館」を訪問することができます。
そしてなんと!ボルチモアのサーキュレーターは無料なのです。
その上ボルチモア美術館も無料なので、かかる費用はMarc社で行った場合、ワシントンD.C.から往復16ドルのみということになります。
ボルチモア Penn Station からサーキュレーター乗り場へ
ボルチモアの駅を降りたら、正面玄関から出て大きな人のオブジェを見たいところですが、サーキュレーター乗り場はここにはありません。
下の地図の赤い丸が「サーキュレーター停留所」です。正面玄関から青い点線のとおりに歩いても「サーキュレーター停留所」には着きますが、ここでは簡単で迷わない駅の中を通っていく方法をご紹介します。赤い実線が駅の中を通って行くルートです。
(地図上にある「徒歩時間31分」は、駅からバルチモア美術館まで歩いた場合の時間です。ここではサーキュレーターを使うので関係ありません。参考のためにのせておきました。)
「サーキュレーター停留所」はライトレール乗り場の先にあるため、駅の正面玄関に直進せず、右の方向に曲がってください。
駅舎内を右に曲がるとこんな風にカフェが並んでいます。
出口を出ると
その先に「サーキュレーター停留所」があります。
[CHARM CITY CIRCULATOR]そしてその下には[31st Street Baltimore Museum of Art PURPLE ROUTE] と書いてありますね。
ボルチモア美術館の近くを回るサーキュレーターは、紫ラインなのです。
ボルチモアのサーキュレーターはこんな感じです。
サーキュレーターに乗ろう
ここで、ボルチモアのサーキュレーターのルートマップを使って、「ボルチモア美術館」近くの停留所を説明します。
紫ルートはボルチモアを南北に走るルートです。ルート上の赤丸が「Penn Station」です。そして上の方にある青丸と青いマークが停留所と美術館です。
ボルチモアのサーキュレーターは、紐を引っ張って、次の停留所で降りることを知らせる仕組みになっています。
しかしサーキュレーターの運転手さんが停留所名をアナウンスしたり、バスの中に 案内表示が出たり、ということはありません。
サーキュレーターはボルチモア市民の足であって、観光客には優しくない仕様になっているのです。
そこで観光客の私たちのできることはただ一つ、運転手さんに教えてもらうことです、
乗車時か信号待ちの停車時に、運転手さんに「Baltimore Museum?」と声をかけましょう。「そうだ」と言われたら、停留所が来たら教えてもらうよう頼みます。英語が苦手な人なら、自分を指差すだけでも伝わるでしょう、あとは運転手さんの近くに座るだけです。運転手さんは必ず降りる合図を出してくれます。
運転手さんに教えてもらい停留所を降りるとボルチモア美術館はすぐ近くです。
ボルチモア美術館は、サーキュレーターの進行方向に向かって左に広い道路を渡り、そのまま道なりにまっすぐです。
地図で表すと次のようになります。
美しいボルチモア美術館が見えてきます。
帰りのサーキュレーター停留所
帰りのサーキュレーター停留所は、行きに降りた停留所と同じです。もともと循環バスなので乗っていると元の場所に着きます。
またボルチモア美術館のあたりが紫ルートのほぼ最北部なので、右折後、2ブロック東の道をまた右に折り返し、ボルチモア・ペンステーションに向かうことになります。
帰りのペンステーションの停留所は、行きに利用した停留所と駅舎をはさんで反対側になるので、ちょっとわかりにくいです。
またサーキュレーターを利用する人が、それほど長距離列車に用があるわけでもないので、日本のバスの感覚でいると拍子抜けします。駅なのに下車する人が少なくてびっくりです。
なので「帰りは駅だから停留所はわかるだろう」と高を括らず、必ず「Penn Station?」と運転手さんに声をかけ、降りる停留所を教えてもらうよう頼んでおいた方が良いでしょう。
次回は、ボルチモア美術館を紹介しますね。マチスコレクションは必見ですよ。